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にきび(尋常性座瘡)は思春期から30歳前後まで、おもに顔面・胸部・背部などの毛嚢に一致して発生する丘疹で発赤・化膿・結節を呈することが多い。思春期にみられるにきびは、異常にひどくなければ生理現象とみなすことができます。
にきびの病変は表在性にみえますが内部状態との関係が深いので腰をすえた漢方治療が必要です。にきびの原因は便秘・食生活(辛いもの・甘いもの)・ストレス・紫外線・睡眠不足・生理不順などの要因が絡み合っていることが多いです。ここで代表的な漢方での治療方法を説明します。
内熱タイプ
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余分な熱が肌表に鬱して外泄できないことが原因 |
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辛いもの・脂っこいもの・味の濃いものなどの飲食により内熱が生じる。そこに内生した油脂が汗孔を詰まらせたり、皮膚の不潔・化粧・油状物の塗布などで発散が妨げられてにきびが発生。その状態が持続すると化膿を引き起こします。勢いの強い赤色のにきびが多発し、化膿傾向があり、圧すると白色の油状物が出てくる。熱感・痛み・かゆみなどを伴う。多食・便秘などがみられる。
治療法:肌膚の熱を取り除きながら、毒を皮膚から発散して外泄したり、便秘傾向にある場合は瀉下により下泄する。
アドバイス:便秘のある方はまずは便秘の改善を心がけましょう。内熱タイプの人は熱がこもりやすいので食事はあっさりしたものにしてお酒なども控えてください。毛穴を詰まらせないように小まめに洗顔をしてください。思春期にできるにきびも性ホルモンが活発になりこのタイプになりやすいのでチョコレートなどの甘いものは控えてください。 |
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ストレスタイプ
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精神的ストレス・怒り・緊張・過度の思慮・恋情などが原因 |
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ストレスや悩みなどにより疏泄の失調がおこり、気がスムーズに流れなくなることにより肌表からの発泄が阻滞せれ熱が逃げ場を失い、にきびを生じる。散在性の赤色にきびで、化膿傾向があり、女性では月経前に多発し、いらいら・怒りっぽい・のぼせ・ほてりなどをと伴う。
治療法:精神をのびやかにし自律神経系を調節し、疏泄(気の流れ)を円滑にしていきます。
アドバイス:普段からストレスを溜めないようにして、適度な運動やお風呂でリラックスをはかってください。シソ茶や菊花茶などもおすすめです。 |
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血と元気の不足タイプ
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気血の不足が原因 |
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内熱タイプやストレスタイプが長期的持続による消耗・過労・大病・出血などが原因で気血が不足して邪を外泄できず、にきびが発生する。淡紅あるいは正常色の丘疹あるいはしこりが散在し、圧しても潰れない。にきびがなかなか治らない、元気がない・疲れやすい・食欲不振を伴う。
治療法:元気をつけて機能を高めとともに血を補うことにより、治癒能力を高める。
アドバイス:油っこいものや味の濃いものを控え消化の良いものをよく噛んで食べるようにしましょう。玄米などには元気がたくさん含まれていますのでおすすめです。 |
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血液ドロドロタイプ
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血の流れが悪いのが原因 |
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内熱タイプ・ストレスタイプ・気血不足タイプなどの他の病因に付随して血流の停滞(オ血)がおこり、にきびの悪化、長期化を招く。暗色〜紫紅色を呈し、色素沈着を伴う。
治療法:血行を促進しうっ血を軽減し老廃物を除くことで経血をスムーズに通行させて痛みを除きます。
アドバイス:血行不良が原因ですので体のストレッチや運動などで血液循環をよくする。他の病因が改善する。このタイプのにきびは跡形が残りやすいので早めの治療をおすすめします。 |
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にきびに用いる代表的な漢方薬
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涼血清血顆粒(りょうけつせいえいかりゅう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、星火逍遥丸(しょうようがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など |
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ポイント
にきびの予防には規則正しい生活習慣を身に付けるよう心がけましょう。洗顔、入浴を心がけ毛穴を塞がない習慣を。患部を刺激しないことが大切です。気になっても触らないこと。髪の毛が患部にあたるようでしたら髪型やヘアピンなどであたらないよう工夫してください。チョコレートやケーキ・ピーナッツなどの糖分や脂肪分の摂りすぎに注意してください。
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婦人病
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不妊症
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皮膚病
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呼吸器疾患
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消化器疾患
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他の内臓代謝疾患
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精神・神経症
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その他
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